水素ガスとは?次世代エネルギーや最新医療での活用について

「水素ガス」が医療分野、次世代エネルギーとして注目されています。この記事では、水素の基本知識や最新の水素エネルギーの活用、科学的エビデンスに基づいた水素ガス吸入まで徹底解説します。水素の情報をアップデートし、多忙な毎日でも衰えないパフォーマンスの維持と、未来の健康への投資として活用してください。

 

水素ガスとは?原子番号1番が持つ特徴と安全性

水素は、この世で最も多く存在している元素で、原子番号1番という「全ての元素の長」とも言える存在です。しかし、水素の特徴を知っている方は意外にも多くはありません。まずは、水素という物質がどのような性質を持つのか見ていきましょう。

 

水素の物性:無色・無臭・無毒という特徴と、圧倒的な「拡散力」

水素の物性:無色・無臭・無毒という特徴と、圧倒的な「拡散力」

水素ガスの最大の特徴は、その「小ささ」と「軽さ」に由来する圧倒的な「拡散力」にあります。常温・常圧では無色・無臭・無毒の気体であり、空気のおよそ1/14倍という驚異的な軽さを誇ります。

 

この軽さは、漏れ出したとしても瞬時に上空へ逃げていく「高い拡散性」につながり、適切な環境下では安全な気体です。また、水素分子は全ての物質の中で最も小さいため、他の物質が通り抜けられないような微細な隙間さえも通り抜ける「透過力」を持っています。

 

【水素ガスの物性一覧表】

項目 特徴・数値 備考
分子式 H2 2つの水素原子が結合
分子量 2.016 全物質の中で最小
密度 0.0899 kg/m3(ガス) 空気のおよそ1/14倍
拡散計数 0.61 cm2/s 非常に速い
毒性・刺激性 なし 生体に対して不活性

引用元:経済産業省-水素保安戦略-(pdf)

【水素の安全性について】水素濃度4%~75%の正しい理解

取り扱う上で懸念されるのが、水素ガスに引火し爆発してしまうことです。しかし、危険と言えるレベルになるには、水素濃度が「4%~75%」の状態に加えて、以下の条件を満たす必要があります。

 

  • 酸素の存在:密閉空間などで十分な酸素があること
  • 着火源:火花や静電気などの火種があること

 

このように、水素があるから必ず爆発するわけではありません。引火・爆発するための要素を正しく把握すれば、過度に心配をする必要なんてないのです。

 

【産業・GX】脱炭素社会の主役として水素を活用

現在、日本政府は「2050年カーボンニュートラル」を掲げ、グリーントランスフォーメーション(GX)に取り組んでいます。脱炭素の実現に向けて、メインとして扱われているのが水素です。この章では、未来で活躍が期待されている産業としての水素ガスについて解説します。

 

クリーンなエネルギーとして使用される「グリーン水素」

水の電気分解から水素を作り出す工程の中で、再生可能なエネルギーを利用して生成されたものを「グリーン水素」と言います。水素は燃焼しても二酸化炭素(CO2)を排出せず、水(H2O)だけが反応して残ります。

 

そのため、地球への負担が抑えられると考えられていますが、そもそも水素を作る過程でCO2を出しては意味がありません。そこで注目されているのが、太陽光や風力と言った再生可能なものを用いて水を電気分解して作る「グリーン水素」です。

 

2020年以降、コロナやロシア・ウクライナ情勢の影響で、石油や天然ガスと言った化石燃料が高騰し、電気代やガソリン代が上がりました。グリーン水素が普及することで、このような世界情勢の急変による燃料価格の影響を受けにくく、過度な化石燃料への依存から脱却することができると考えられています。

 

水素エネルギーがもたらす経済へのインパクト

水素エネルギーがもたらす経済へのインパクト

経済産業省の『水素基本戦略』では、世界の水素市場では2050年までに年間2.5兆ドルの収益が見込まれています。そのため、日本では今後10年間で官民合わせて150兆円の投資額を目指し、国が先頭に立って20兆円の投資を行うという大規模な舵を切りました。

 

水素関連の事業で特に利用・普及が目指されているのは、モビリティと発電です。例えば水素燃料電池車(FCV)は、トラックやバスなどの大型商用車の動力源として実装。さらには自動車の普及率も向上される見通しです。

 

また、火力発電の燃料に水素を混ぜる「混焼」という方法で、電力を生み出す水素発電の利用が検討されています。水素ガスはただの環境対策のみにあらず、次世代の経済インフラそのものとして認識されているのです。

 

【医療・ヘルスケア】人体への作用メカニズムと最新のエビデンス

水素ガスにはエネルギー資源として注目されている他にも、人体にいい影響をもたらすことが判明しています。そのメカニズムは細胞レベルでの化学反応にあります。具体的な働きとその根拠となる最新のエビデンスを確認していきましょう。

 

最強の抗酸化物質と言われるメカニズム|悪玉活性酸素を狙い撃ち

最強の抗酸化物質と言われるメカニズム|悪玉活性酸素を狙い撃ち

水素は蓄積した活性酸素の中でも、「悪玉」と呼ばれるものだけを狙い撃ちし体外に排出する働きがあります。この活性酸素は私たちの体内で、ストレスや紫外線、呼吸によって常に発生しており、その一部は免疫や細胞間の情報の伝達などに役立ちます。

 

しかし、その中でも体にとって悪影響のある悪玉と言われる「ヒドロキシラジカル」は、細胞やDNAを傷つけ、老化や疾患の原因となります。

 

水素が最強の抗酸化物質と言われるゆえんは、他にはない「選んで排除する力」です。身体にとって良い影響をもたらす善玉には反応せず、細胞を破壊するヒドロキシラジカル(・OH)のみを狙い撃ちして結合します。そして反応の結果、体内で水(H2O)に変えられ体外へ排出されるのです。

細胞を破壊するヒドロキシラジカル(・OH)のみを狙い撃ち

さらに、水素ガス特有の拡散性により、体中の隅々まで水素が行き渡っていきます。ゆえに、脳内の酸化ストレスをもケアできる点が、現代社会を戦う大人たちにとっての大きな魅力の1つです。

 

水素吸入療法は先進医療Bに認定された実績を持つ

厚生労働省は2016年に、水素ガスを用いた水素吸入療法を先進医療Bに認定しました(*現在は臨床件数の少なさから取り下げられ、自由診療として利用可能)。

 

» 水素ガス吸入療法の現在と将来性|厚生労働省等の情報を紐解く

 

対象となったのは、心肺停止症候群という心停止から蘇生した後に生じる可能性がある脳障害です。この2次被害ともいえる脳障害を、水素ガスが軽減するという可能性を国が認め、先進医療として活用されることとなりました。

 

臨床データから判明したがん治療への活用

近年、がん治療の現場においても水素吸入の併用が注目されています。主に導入する目的は次の通りです。

 

副作用の軽減

抗がん剤や放射線治療による酸化ストレスを軽減し、QOL(生活の質)を改善、維持する

 

免疫の活性化

水素が免疫細胞(T細胞)の疲弊を防ぎ、免疫力を高めることでがん細胞に対抗する力を獲得する

 

がん治療効果を底上げ

水素とがん治療の専門である赤川純児先生は、著書「水素ガスでガンは消える!?」において、オプジーボ(がん治療)との併用で、さらなる効果を生むとしている

 

水素ガス吸入は、美容やヘルスケアといった日常的な使用から、研究の蓄積によって新たな治療として確立される可能性を秘めています。

 

2026年最新の水素ガス研究

2026年現在までに報告されている最新の研究です。

研究対象 公表年月日 報告内容
肺高血圧症の症状を緩和と水素の抗炎症効果の裏付け 2026年2月24日 水素が異常な心拍数を軽減させ、血管へのダメージを抑える。また、トリプターゼという炎症物質が減少したことで、水素の抗炎症という働きを裏付けた
敗血症が原因の脳障害に対して水素の有効性を調査 2025年12月5日 2%の水素を吸うことで、敗血症のマウスの7日間生存率が50%→75%に向上。さらに認知機能に低下がみられなかったことから、水素が脳を保護することが示唆された
安静時に水素ガスを吸入することでどのように代謝が変化するか測定 2025年2月8日 水素ガスを取り込むことで、糖ではなく脂肪から燃焼されることがわかった

 

また、これらの他に、2025年8月からポーランドの大学で、スポーツ科学とがん研究を組み合わせた臨床研究が現在も行われております。

 

日本においては、京都府内の複数の大型医療機関で、脳卒中患者および頭部外傷者患者に対する有効性と安全性の検証の実施について、2026年2月頭に公表されました。

 

パフォーマンスを最大化する「水素ガス吸入」という選択

パフォーマンスを最大化する「水素ガス吸入」という選択

健康意識の高い層の間では、これまでの「水素水」から「水素吸入」へとシフトが加速しています。その理由は圧倒的な「摂取効率」の差にあります。

 

「飲む」と「吸う」を比較|血中濃度と摂取量の違い

水素水の場合、水に溶け込む水素の量には物理的な限界があります。対して、水素ガス吸入は、肺からダイレクトに血液へ取り込むため、摂取量が桁違いに多くなります。

 

水素水 500ml飲んでも、摂取できるのは数mg程度
水素吸入 1分間の吸入で、水素水数リットル~数十リットル分に相当する水素分子を摂取可能

 

「吸う」という行為の方が、血中濃度の立ち上がりが早く、また維持することができるので、短時間で効率よく全身の細胞へ水素を届けることができます。

 

活動していない就寝時に行うことが可能

活動していない就寝時に行うことが可能

水素吸入のもう1つの大きなメリットは、「ながら」で行えることです。特におすすめなのが、就寝時の吸入です。細胞の修復が行われる就寝中に水素を取り入れることで、睡眠の質を高め、翌朝の目覚めを劇的に変えることができます。

 

多忙な毎日を送る方にとって、わざわざ専用の時間を確保せずに、「ながら」でセルフケアができることは、最も合理的な解決策と言えるでしょう。

 

水素オタクの著者が重視する家庭に置く水素ガス吸入器の選定【チェックポイント3選】

ひとえに吸入器と言っても様々な機器が存在します。水素ガスを日常に取り入れ、セルフケアを望むのであれば相応の機器を選択しましょう。私が吸入機器を見るうえで必ずチェックする3つのポイントをご紹介します。

 

1.不純物を徹底的に排除した「純度99.999%」とPEM式の発生方法

1.不純物を徹底的に排除した「純度99.999%」とPEM式の発生方法

水素ガスの発生方式には大きく分けて2つありますが、私が家庭用として推奨するのはPEM(プロトン交換膜)式です。その理由は、高い純度の水素を生成することができるからです。また、人体に影響のあるオゾンや塩素ガスといった不純物が発生しにくく、加えてメンテナンス性にも優れています。家庭用として導入するにはこの発生方法を用いている吸入器を選ぶようにしましょう。

 

2.安全面に考慮した「水素濃度の検知」と「自動停止センサー」

2.安全面に考慮した「水素濃度の検知」と「自動停止センサー」

万が一を考慮して「水素濃度の検知センサー」や「自動停止機能」が搭載されている機器かどうか確認しましょう。水素ガスを扱う上で一番気を付けたいことは、使用中に「爆発」する条件を満たしてしまうことです。

 

最近は技術の進歩にともない、たくさんの水素を発生させることが可能な機器が増えてきております。これは、さらに効率よく水素を吸入できる性能を有していますが、同時に酸欠になるリスクや気付かないうちに濃度が濃くなってしまう危険性をはらんでいます。

 

ですので、必ずこれらのような安全装置が搭載されているか確認をするようにしてください。

 

3.持続可能時間と定期メンテナンスのしやすさ

1回の吸入で、どれだけの時間吸入できるのかを確認しましょう。長時間の継続運転は睡眠中の利用に最適です。私が使用しているモデルは、連続で1時間使用できる機器です。そのため、最低でも1時間以上停止することなく運転できる機器を選ぶことをおすすめします。

 

また、水素吸入は長期間継続して取り組み、体の内側から整えることで真価を発揮します。そのため、メンテナンスのしやすさや定期コスト、メーカーのサポート体制が整っているかも大切になります。

 

例えば、PEM式は、定期的に純水を取り寄せなければなりませんので、月にどれくらいかかるか計算しておく必要があります。加えて、「吸入器が故障したかな?」となった場合に、すぐに連絡ができる体制が整っているかどうか、あらかじめメーカーサイトを調べて把握しておきましょう。

 

さらにこだわりをもって選定したい方はこちら

 

水素ガスを正しく理解し、未来の投資へ【まとめ】

水素ガスは、2026年現在において、地球環境に負担をかけないクリーンなエネルギーや、私たちを「酸化」から守るツールとなりました。原子番号1番の最も小さい分子は、私たちの体・社会を血管という情報網の隅々まで巡ることで、様々な恩恵をもたらしてくれます。そんな水素の正体を正しく理解し、情報をアップデートすることで、私たちの未来社会と、健康への投資に役立つ可能性を秘めています。